RF形フランジとGF形フランジの使い分けと選定方法および締め付けトルクについて教えて下さい。
Q9-3
- RF形フランジとGF形フランジの使い分けと選定方法および締め付けトルクについて教えて下さい。
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1.RF形フランジとGF形フランジの使い分けについて
フランジ継手接合には、RF形-RF形(大平面座形)とRF形(大平面座形)-GF形(溝形)が規定されており、使用水圧によって使い分けします。表1 使用水圧と継手組み合わせ呼び圧力継手の組合せ適用呼び径最高使用圧力
(MPa)7.5K(0.75MPa用)RF形-RF形75~6001.3 1)RF形-GF形75~260010K(1.0MPa用)RF形-GF形75~26001.416K(1.6MPa用)RF形-GF形75~15002.220K(2.0MPa用)RF形-GF形75~9002.8
(社)日本水道協会 水道施設耐震工法指針・解説(2009年度版 各論頁37)には、耐震性の面から水密性に優れたRF形-GF形の組み合わせが望ましいと記載されています。2.フランジの選定方法について
フランジの選定は、一般的には最高使用圧力を設計水圧(静水圧+水撃圧)として行います。
(選定例)
1.静水圧0.75MPa、水撃圧0.55MPaの場合、設計水圧1.3MPaとなるため7.5Kフランジを選定。
2.静水圧0.8MPa、水撃圧0.55MPaの場合、設計水圧1.35MPaとなるため10Kフランジを選定。使用するガスケットは、下図に示すように、RF形-RF形の組み合わせにおいては、RF形ガスケットを用います。また、RF形-GF形の組み合わせにおいては、GF形ガスケット1号(メタルタッチの場合)、またはGF形ガスケット2号(メタルタッチでない場合)を用います。
3.締め付けトルクについて
1)大平面座形(RF形-RF形)
RF形ガスケットを均等に圧縮し水密性を確保するために締め付けトルクで管理します。
呼び径75~600ボルト標準締め付けトルクを表2に示します。表2 大平面座形フランジのボルト標準締め付けトルク呼び径ボルトの呼び標準締め付けトルク
(N・m)75~200M1660250・300M2090350・400M22120450~600M24260呼び径700以上については、ボルト締め付けトルクが大きくトルク管理をするには特殊なトルクレンチが必要となります。また、呼び径が大きくなると片締めが起こりやすくガスケットの均等な圧縮には十分な注意が必要であることから、当協会では、RF形-GF形の組み合わせの使用を推奨しています。
ただし、既設継手への接合などで、やむを得ずRF形-RF形の接合を行う場合には、表3に示す締め付けトルクを参考として下さい。表3 大平面座形フランジのボルト締め付けトルク(参考値)呼び径ボルトの呼び標準締め付けトルク
(N・m)700~1200M305701350・1500M36900※表2、3に示す標準締め付けトルクは、水密性確保の観点から、ねじ部の摩擦係数が比較的大きいボルトを用いる場合の値とした。焼き付き防止剤等が施されたボルトを使用するときの締め付けトルクは、接合要領書をご覧下さい。
呼び径1600以上の場合には、さらにボルト締め付けトルクが大きくなるためトルク管理ができない場合もあることから、当協会では、RF形-GF形の組み合わせの使用を推奨しています。
2)溝形(RF形-GF形) メタルタッチの場合
基本的にフランジ面間の隙間管理になりますが、更に60N・m以上の締め付けトルク管理も行います。3)溝形(RF形-GF形) メタルタッチでない場合
基本的にフランジ面間の隙間管理になりますが、すべてのボルトが容易にゆるまないことの確認を行います。なお、実際の接合に当たっては、当協会発行「フランジ形ダクタイル鉄管 接合要領書」をご覧下さい。