ダクタイル管路にも電食は発生するのですか?
Q13-3
- ダクタイル管路にも電食は発生するのですか?
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一般に電食とは、電気鉄道や防食設備のような人為的な電気設備からの直流電流に起因して発生する腐食のことを言います。電気鉄道は、殆どの場合架空単線式が採用されており、レールを電車電流の帰線として使用しています。その際にレールを流れる電流の一部が漏れ電流として地中に流れ込み、変電所付近で再び流出してレールに帰流することがあります。この時、地中に電流が流れるような埋設金属体があると、電流はこの金属体を通り、流出箇所で電食が発生することになります。
また、防食設備のような人為的な電気設備では、防食電流を強制的に地中に流しており、これに近接する埋設金属体にその-部が流入することがあります。この場合も電流の流出する地点で電食が発生しますが、-般的には、このような設備は、周辺への影響を十分に配慮して設置されています。
ダクタイル管路に対する影響については、継手が高い電気抵抗を有しており、漏れ電流の帰路となり難いだけでなく、防食設備等の影響も殆どないと考えています。(ポリエチレンスリーブが被せられている場合は更に電食の影響を受けにくい。)
その他に、電気防食をしている埋設金属体と絶縁継手を介しているにもかかわらず、金属体の接地抵抗が低いために隣の金属体にジャンピングして電流が流れ込むことで発生するジャンピング腐食や交流電流による腐食がありますが、これまでダクタイル管路で確認された事例は殆どありません。
電食といっても、さまざまな環境条件があり、状況によってはダクタイル鉄管に電食が発生することもあります。このような場合には、計画時に埋設環境の十分な調査を行い、必要な対策を施すと共に、埋設後の確認も併せて行うべきと考えます。