エポキシ樹脂粉体塗装規格の変遷について教えて下さい。
Q4-9
- エポキシ樹脂粉体塗装規格の変遷について教えて下さい。
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エポキシ樹脂粉体塗装については、JIS規格、社団法人 日本水道協会のJWWA規格、社団法人 日本下水道協会のJSWAS規格、当協会のJDPA規格などがあります。また、下表に規格の変遷について示します。
年規格の変遷昭和30年代内面モルタルライニング直管が開発され、赤水・出水不良等の給水障害発生件数が激減した。しかし、異形管は依然として瀝青質系の薄い塗装であったため、赤水発生の原因の一つとなっていた。 昭和48年頃エポキシ樹脂粉体塗装が開発され、関西地方の都市で採用され始めた。 昭和52年異形管専用塗装規格として、日本鋳鉄管協会(現日本ダクタイル鉄管協会)規格、JCPA Z 2006「水道用ダクタイル鋳鉄異形管粉体塗装」(呼び径75~250)が制定された。 ↓その後、直管の内面にもエポキシ樹脂粉体塗装を採用する都市が増えたことや、事業体から赤水対策として異形管の適用口径拡大を要望する声が強くなってきた。 昭和54年日本ダクタイル鉄管協会規格、JDPA Z 2006「ダクタイル鋳鉄管用内面エポキシ樹脂粉体塗装」(呼び径75~350)制定。 昭和55年直管・異形管共通した規格として、日本水道協会規格、JWWA G112「水道用ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装」(呼び径75~350)が制定された。そのため、JDPA Z 2006「ダクタイル鋳鉄管用内面エポキシ 樹脂粉体塗装」を廃止した。 昭和57年日本水道協会規格、JWWA G 113「水道用ダクタイル鋳鉄管」が制定され、モルタルライニングと同様に、粉体塗装が標準化された内面防食法として規定された。 ↓エポキシ樹脂粉体塗装は上水道以外の分野、例えば硫化水素ガスの発生し易い下水道管路や工業用水管路でも採用されるようになった。 昭和59年日本下水道協会規格、JSWAS G-1附属書4「下水道用ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装」、及び上水道以外にも適用できる規格として、日本工業規格、JIS G 5528「ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装」(呼び径75~600)が制定された。 平成14年水道法に基づく水道施設の技術的基準を定める省令との整合を図って、昭和55年のJWWA G 112「水道用ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装」が改正された。 平成15年日本下水道協会規格、JSWAS G-1の内容改正に伴い、「内面エポキシ樹脂粉体塗装」の項目を附属書2の2.に移行された。なお、直管は呼び径75~1200、異形管は呼び径75~1500に適用する。 ↓直管及び異形管の内面に塗装する環境調和型のビスフェノールFからなるエポキシ樹脂に限定したエポキシ樹脂粉体塗装の規格JDPA Z 2016「ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装」が制定された。 平成16年厚生労働省令の一部改正に伴い、浸出項目、浸出基準及び浸出試験方法を変更したため、平成14年のJWWA G 112「水道用ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装」が改正された。 平成17年厚生労働省令の一部改正に伴い、浸出項目、浸出基準の変更などを行ったため、平成15年のJDPA Z 2016「ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装」が改正された。 平成18年溶解試験に用いる石綿付金網を削除したため、昭和59年のJIS G 5528「ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ樹脂粉体塗装(追補1)」が改正された。