トップページQ&A基本ダクタイル鋳鉄の金属組織では黒鉛が球状化していますが、どのようにして球状化させるのでしょうか? Q2-5 ダクタイル鋳鉄の金属組織では黒鉛が球状化していますが、どのようにして球状化させるのでしょうか? 黒鉛の球状化は、C(炭素)を約2.1%以上含有する溶鉄にMg(マグネシウム)、Ce(セ リウム)、RE(希土類元素)またはその合金を添加することで得られますが、経済的な理由でMgが最も多く使用されています。ただし、黒鉛の球状化の機構については完全な理論は未だ確立されていません。 「何だ、Mgを添加するだけか」と思われるかもしれませんが、Mgの融点は650℃、沸点は1100℃で、いずれも溶鉄温度(低くても1450℃)より遥かに低いため、溶湯に不用意に投げ込んだりすると爆発的な反応(Mgの気化)が起こり、溶鉄が飛び散るので非常に危険です。工業化には様々な試行錯誤が繰り返され、各々の製造工場に適した様々な添加方法が開発されました。 遠心力ダクタイル鉄管のように大量連続生産する場合は、それに適した方法として、 「Mgの圧力添加法」を採用しています。圧力添加法とは、沸点は気圧の影響を受けること(富士山の頂上では100℃以下で水が沸騰するのが一例)を利用した方法で、高圧の圧力容器内でMgを添加すると、沸点が上昇し、気化が起こりにくいためMgが溶鉄に溶け込みやすくなります。 ダクタイル鋳鉄の金属組織(100倍) 前のページに戻る お問い合わせ Q&Aに関するご意見、ご質問は以下よりお問い合わせください。 お問い合わせ
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