海岸付近(沿岸部)でダクタイル鉄管を布設したいのですが、腐食が心配です。大丈夫でしょうか?
Q13-2
- 海岸付近(沿岸部)でダクタイル鉄管を布設したいのですが、腐食が心配です。大丈夫でしょうか?
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GX形ダクタイル鉄管は、海岸付近(沿岸部)で布設しても、外面耐食塗装の防食効果により、長期の耐久性が期待できます。
GX形ダクタイル鉄管の外面耐食塗装は、海水環境に相当する試験として複合サイクル試験 注1)を実施し、防食効果があることを確認しています。
従来用いられていた亜鉛溶射被膜は、複合サイクル試験での防食期間が約3日間であり、海水環境での防食期間が2年以上でした。これに対し、外面耐食塗装は複合サイクル試験での防食期間が120日以上でした。つまり、GX形ダクタイル鉄管の外面耐食塗装は海水環境において亜鉛溶射被膜の35倍程度の防食効果があり、防食期間は70年以上が期待できます(表1参照)。
なお、管周囲に海成粘土のような特殊な腐食性土壌がある場合は、外面にポリエチレンスリーブを装着していただくことを推奨しています。また、GX形以外の管種では、防食対策として外面にポリエチレンスリーブを装着しますが、海岸付近でもポリエチレンスリーブを装着することにより、長期的に腐食がないことを確認しています(表2参照)。
ただし、ポリエチレンスリーブの破れ等がないように、施工の際は施工要領書に従って正しく装着してください。表2 ポリエチレンスリーブの装着の防食効果の確認結果事業体名 埋設場所 埋設年数 埋設土壌の状況 管外面の腐食状況 状況写真 土質 ANSI評価
(点)比抵抗値
(Ω・cm)大阪市水道局 埋立地 20年 粘土 15.5 480 腐食は認められず No1 大阪府水道部 埋立地 19年 砂 12.0 120 腐食は認められず No2 福岡市水道局 埋立地 29年 粘土 15.5 83 腐食は認められず No3 出典:ポリエチレンスリーブの実管路における長期防食性能、ダクタイル鉄管協会誌第82号、平成20.5
ポリエチレンスリーブ装着なし(最大腐食深さ2.5mm)ポリエチレンスリーブ装着あり(腐食認められず)写真No1 埋設20年後の管外面の状況
ポリエチレンスリーブ取り外し前ポリエチレンスリーブ取り外し後(腐食認められず)写真No2 埋設19年後の管外面の状況
ポリエチレンスリーブ取り外し後(腐食認められず)写真No3 埋設29年後の管外面の状況