ゴム輪の耐久性について教えて下さい。
Q2-9
- ゴム輪の耐久性について教えて下さい。
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ダクタイル鉄管に使用されるゴム輪の役割は、継手の水密性能を保つことです。従って、ゴム輪の耐用年数は、水密性能が保たれる年数ということになります。
当協会では、K形およびNS形用ゴム輪を継手に組み込んだ状態で侵漬調査を行い、経過時間と圧縮永久ひずみ率の関係を確認しております。図1に経過時間と圧縮永久ひずみ率の関係を示します。圧縮永久ひずみ率ゴム輪を圧縮状態から解放した時に元の寸法に復元しない割合を示す値。継手部が水密性を確保するために必要なゴム輪の圧縮率は8%とされている。圧縮率8%以上を得るために許容できるゴム輪の圧縮永久ひずみ率(A)は78%以下である。図1 圧縮永久ひずみ率の経時変化圧縮永久ひずみ率は時間の経過と共に増加する傾向を示し、10年後で16.5~40%を示しました。なお、調査結果より100年間使用した場合を予想すると、圧縮永久ひずみ率は60%以下となり、水密性を確保するために必要な圧縮率を維持していることがわかります。
また、実際に8~36年間使用した掘り上げ管(T形)の調査より、硬さ(図2)および引張強さ(図3)の変化が当初と比較して僅かであることを確認しています。図2 T形ゴム輪バルブ部硬さ図3 T形ゴム輪バルブ部引張強さ※図1~図3は、第59回全国水道研究発表会予稿集(ダクタイル鉄管用ゴム輪の耐久性に関する調査結果)より引用。