エポキシ樹脂粉体塗装と液状エポキシ樹脂塗装の違いはありますか?
Q14-10
- エポキシ樹脂粉体塗装と液状エポキシ樹脂塗装の違いはありますか?
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エポキシ樹脂粉体塗料の方が防食性能、品質とも優れていると評価されています。
エポキシ樹脂粉体塗装に使用されるエポキシ樹脂粉体塗料は、エポキシ樹脂、硬化剤、顔料、添加剤などの成分からなる粉末塗料で、液状エポキシ樹脂塗料のように溶剤を含まず、200℃前後の高温で溶融し、硬化反応を経て塗膜が形成されます。
常に均一な硬化条件で工場塗装されますので、製品品質のバラツキが少なく、また溶剤に起因するピンホール、臭気等の問題もなく、防食性能の点でも従来の溶剤型塗料に比べて非常に優れていると評価され、数多くの実績があります。
一方、平成元年にタールエポキシ樹脂塗料に替わる材料として、日本水道協会規格として制定された液状エポキシ樹脂塗料は、エポキシ樹脂、硬化剤、顔料、添加剤、溶剤からなる2液性の溶剤型塗料で、常温硬化反応を経て塗膜が形成されます。
この塗料は、常温硬化型であるため塗装条件によって、その性能に大きな差異が生じる可能性があり(温度・湿度の差等)、また水道用に使用する場合には残留溶剤による水質への影響も十分留意する必要があります。
水中での防食性能は、従来のコールタール、アスファルトや各種の合成樹脂塗料に比べ優れていますが、高温で硬化反応を完結するエポキシ樹脂粉体塗料よりも劣ることは否めません。
また、耐酸性、耐摩耗性等については、エポキシ樹脂粉体塗料の方が優れていることが確認されています。
なお、エポキシ樹脂粉体塗装は、その塗装方法及び設備の関係から、直管については呼び径1200まで、異形管については呼び径1500までに適用されています。一方、液状エポキシ樹脂塗装は、一般的に呼び径1600以上の異形管に適用されています。