ダクタイル鉄管を露出配管する場合には何か特別な防食対策が必要ですか?
Q13-8
- ダクタイル鉄管を露出配管する場合には何か特別な防食対策が必要ですか?
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ダクタイル鉄管は一般的には地中に埋設されていますが、浄水場、下水処理場などでは地上または管廊内で露出配管されたり、水中配管されることがあります。
一般に露出配管の場合、管路の美観、内部流体の識別等のために特殊な塗装仕様が用いられています。これらの塗装仕様については、JDPA Z 2009-2011(ダクタイル鋳鉄管外面特殊塗装)として規格化されています。その詳細は下表および下図に示します。この規格では、1次塗装に亜鉛系プライマー塗装を行うことで耐久性の向上を図り、2次、3次塗装を工場で塗装し、輸送や布設工事での塗膜の損傷を考慮して施工現場において、さらに現地 塗装を行うことになっています。また、図に示しますように、塗装仕様の選定は、(1)配管の種類→(2)耐侯性の必要性→(3)湿度は高いか→(4)指定色の有無の順に行います。
表1 工場塗装及び現地塗装種類工場塗装現地塗装(参考)1次塗装2次塗装3次塗装用途現地塗装
適合塗料備考AA a)亜鉛溶射又は
ジンクリッチ
ペイント b)管に通常用いる塗料塗膜の厚さ
0.08mm-主として露出配管に用いる。管に通常用い
る塗料黒色とし、その他の色は指定できない。
BB亜鉛溶射又は
ジンクリッチ
ペイント
ただし、JDPA G1049のGX形管は亜鉛系合金溶射でもよい b)現地塗装のアクリルNAD系艶有塗料に適した管に通常用いる
塗料塗膜の厚さ
0.08mmアクリルNAD系艶有塗料色の指定ができ、歩道橋や建築関係で通常用いられている。
塗料は市販性がよく、入手しやすい。CCエポキシ樹脂
塗料
塗膜の厚さ
0.05mmエポキシ
M.I..O塗料又は
エポキシ樹脂塗料塗膜の厚さ
0.05mmポリウレタン
樹脂塗料色の指定ができ、耐候性が要求される場合に使用される。DD水中配管及び湿度の高い所の露出配管に用いるエポキシ樹脂
塗料色の指定ができ、水中や湿度の高い腐食性環境で使用される。注 a) 種類AAには、JDPA G 1049のGX形管には適用しない。 注 b) 1次塗装の塗布量は、亜鉛溶射又は亜鉛系合金溶射の場合は130g/m2、ジンクリッチペイントの場合150g/m2を基準とし、塗膜厚さは0.02mmとして積算する。なお、亜鉛系合金溶射の場合は、封孔処理を行ってもよい。 図 塗装の選定手順