ダクタイル管による水管橋は施工できますか?
   
ダクタイル管による単独水管橋はSII形、S形の耐震継手とFT形の水管橋専用継手で構成され、施工性、耐久性、耐震性などに優れ、現在多くの事業体で採用されています。ダクタイル管製水管橋の特徴を以下に示します。
  1. 施工性
 継手はメカニカル接合であり、特殊技能を必要とせず簡単な工具で短時間に接合・架設できる。
2. 耐久性
 管外面は露出用のダクタイル鋳鉄管外面特殊塗装を、また管内面は防食性と衛生面に優れたエポキシ樹脂粉体塗装を施しているため、 溶接熱によって内面塗装が損傷し、長期的に局部腐食が発生する心配がない。
3. 耐震性
 設計時には供用期間中に1〜2回発生する確率を有する地震動レベル1についての照査を行うことになっている。
4. 経済性
 管材料費が安い・現地溶接が不要で短時間で架設できるため、架設費も節減できる。
 さらに、耐久性にも優れているため維持管理費用も少なくてすむ。
 現在、適用可能な呼び径と最大支間長(スパン)および接合形式を下表、構造例を図に示す。

表 最大支間長と接合形式
呼び径(mm) 最大支間長(m) 接合形式
75 17.0 SII形、FT形
100 18.0
150 23.5
200〜350 25.0
400 16.0 SII形
450 15.0 SII形
500・600 15.0 S形
(注)最大支間長は積雪、保温材などを含まない標準的な場合を示す。

図 単独水管橋の構造例(呼び径350mm以下)
   

耐震管の切管は何故一種管なのですか?
   
 2種管、3種管などの管で溝切りを行うと、溝部の管厚(残肉)が薄くなり、S形、SII形、NS形の有している離脱防止性能を損なうからです。
   S形、SII形、NS形などの耐震継手ダクタイル管は、地震時に地盤が大きく動いた時に挿し口突部とロックリングが引掛り離脱を防止する構造となっており、これら継手は3DkN(D:管の呼び径mm)もの引張り力にも耐えることができます。
 工場から出荷される管には工場において溶接によって挿し口突部が取り付けられていますが、施工現場で切管をする場合には、現地でこの挿し口突部を形成する必要があります。
 図のように専用工具により切断・溝切りを行い(NS形の場合にはテーパ加工も行う)、この溝部に各々の切管用挿し口リングを取り付けることにより挿し口突部を形成します。
 挿し口に溝切りを行うと、2種、3種管など管厚の薄い管では溝部の管厚(残肉)が薄くなり、3DkN(D:管の呼び径mm)の引張り力に耐えられなくなり、S形、SII形、NS形の有している離脱防止性能を損なうことになります。




 したがって、S形、SII形、NS形などの耐震継手ダクタイル管を切管する場合には1種管(S形の場合はDPF種管も可能)を使用する必要があるわけです。なお、1種管には、受口端面部に「D1」と表示してあり、呼び径300mm以上の切用管には受口近傍の直部に白線表示がしてありますので確認の上切管して作業を行ってください。

注)S形管をこの方法で現地切管できるのは呼び径1600mm以下です。呼び径1650mm以上は、現地切管は通常行わずKF形、UF形管で切管調整することが望ましい。
   

ポリエチレンスリーブを装着したダクタイル管にコンクリート防護を打設しても問題ないですか。
   
片落管部、管端部およびバルブ部などのコンクリート防護では、管とコンクリートの付着が重要となるため、コンクリート防護を打設する部分については、ポリエチレンスリーブを装着しないでください。
   片落管部、管端部およびバルブ部では管軸方向の不平均力が発生し、これら管軸方向の不平均力に対してコンクリート防護を用いる場合、管とコンクリートの付着が重要となります。そのため、ポリエチレンスリーブを装着する管路であっても、管軸方向の不平均力対策としてコンクリート防護を打設する部分については、ポリエチレンスリーブを装着しないでください。
 この時、ポリエチレンスリーブ末端のコンクリート防護との境目については、管が直接土壌と接触するのを防止するため、図1、図2に示すようにポリエチレンスリーブの端をコンクリートの中に入れるように施工してください。
 なお、曲がり部やT字管では管軸直角方向の不平均力となるので、コンクリート防護を用いる場合でも管とコンクリートの付着は重要でなく、ポリエチレンスリーブを装着したままコンクリート防護を打設しても差し支えありません。
   

KF形受口にK形栓を使用できますか。
   
 KF形管路の栓止めにK形栓を使用できます。
 ただし、KF形継手の接合と同様に、セットボルト、シールリング、シールキャップを必ず使用し、シールキャップのキャップ面が受口外面に接するまでしっかりと締め付けて下さい。
   KF形受口にK形栓を取り付けた時の継手構造を下図に示します。KF形継手の接合との相違点はロックリングを装着しないことです。
 なお、K形栓はKF形接合要領書に準じて接合しますが、セットボルト、シールリング、シールキャップを先に取り付ける次の手順での接合も可能です。
 1.KF形受口にセットボルト、シールリング、シールキャップを装着する。
  この時、栓取り付けの支障とならないように、セットボルトの先端が受口ロックリング溝より内面側に出ないようにする。
  なお、セットボルトの一端にある六角穴を通常と反対の管内面側になるようにすると、シールキャップ取り付け時に管外面からシールキャップを管内面からセットボルトを同時に締め付けることができ、締め付け時にともまわりを防ぎます。

 2.通常のK形継手の接合と同様の方法で、K形栓を受口に取り付ける。
  (注)K形栓の使用最大静水頭は75mです。これ以上の水圧が作用する場合には、(KF形短管2号+フランジふた)による栓止めとなります。


KF形受口にK形栓を取り付けた時の継手構造
   

管路の水圧試験のかわりに空気圧で試験を行ってもよいのですか?
   
管路の空気圧試験は、管や栓が爆発的に飛ばされる場合があり大変危険なので、絶対に行わないでください。
   管路に空気圧を負荷すると、大量の空気が圧縮された状態で管内に密封されます。このため万一、管路末端の管や栓などが外れた場合には、そこから大量の空気が爆発的に噴出して管や栓などが飛ばされ、人身事故に至る場合があります。従って、水圧の代わりに空気圧で試験を行うことは避けてください。また、水圧試験を行うときは、水圧によって管末部が抜けたりしないように必ず適切な防護措置を行い、管路の設計水圧以下で行うようにしてください。
   

耐震管の切管時、何故溝切りが必要なのですか。
   
 NS形・SII形・S形(呼び径1600mm以下)の耐震管では、切管を行った場合、切管用挿し口リングを用いて挿し口突部を形成する必要があります。この切管用挿し口リングは、挿し口に設けた溝にはめて取り付けるようになっていますので、耐震管を切管した場合は、挿し口の溝切りが必要となります。

 NS形、SII形、S形継手は、大きな伸縮量と離脱防止機能を有していることが大きな特長で、この離脱防止機能は、挿し口端部に設けた突部と受口溝部に装着したロックリングとの引っ掛かりにより発揮されます。そのため、耐震管にとって、挿し口突部はなくてはならない存在です。
 長さ調整などで切管を行うと切断箇所の挿し口には突部がなくなりますので、挿し口端部に切管用挿し口リングを取り付けて突部を形成する必要があります。この切管用挿し口リングを挿し口端部に設けた溝にはめて取り付け、耐震管の大きな離脱防止力を発揮させます。このため、耐震管の切管では溝切りが必要となります。
 なお、耐震管であっても、切管した挿し口をK形継手やT形継手と接合する場合は、溝切りは必要ありません。
   

SII形受口にSII形栓を使用する場合、ロックリングは必要ですか。
   

ロックリングおよびバックアップリングは必ず使用してください。

   ロックリングやバックアップリングを装着せずにボルトの締め付けを行うと、ゴム輪の進入を阻止するものがないためにゴム輪が継手内にどんどん入り込み、十分にゴム輪を圧縮することができません。そのため、継手の止水性が低下しますので、ロックリング、バックアップリングは必ず使用してください。
 なお、ロックリング、バックアップリングを装着しなくとも若干の止水性を有していますので、管路が空管状態で地下水や土砂の侵入防止のための栓止めで、ロックリング、バックアップリングを装着せずにSII形栓を使用している例が多々見受けられますが、止水弁の漏洩や誤動作により水圧が負荷された時に漏水事故に繋がる危険性がありますので、ロックリング、バックアップリングを必ず使用してください。
   

NS形とSII形の切断・溝切り加工に使用する加工機は、同一ですか。
   

 同一の溝切り切断機で、NS形、SII形のどちらも加工が可能です。
 ただし、NS形とSII形とで溝寸法や挿し口端部の形状が異なるため、各継手専用の刃物を使用する必要があります。
 また、NS形では、従来のリベットタイプとは異なるタッピンねじタイプの切管用挿し口リングも新たに規格化されており、これについては専用の加工機も開発されています。

 NS形、SII形の切管では切断だけでなく溝切りが必要ですが、一般に切断と溝切りとが同時加工(NS形の場合は面取りも同時加工)され、加工に使用する溝切り切断機はNS形、SII形とも共通です。
 ただし、溝切り切断機に取り付ける刃物は、次の点から切断刃を除き、各継手専用のものが必要となります。
 1.NS形とSII形とでは溝寸法が異なるため、専用の溝切り刃が必要となります。
 2.NS形では挿し口端部の面取り加工も同時加工するので、面取り刃が必要となります。
 3.溝位置や使用する刃物が異なるため、刃物のホルダーも専用のものが必要となります。
 なお、溝切り切断機の機種によっては上記の刃物だけでなく、一部備品がNS形とSII形で異なることもあります。


図 切管時の挿し口加工例(呼び径150mmの場合)


 また、NS形ではタッピンねじタイプの切管用挿し口リングが新たに規格化されており、このタイプの切管用挿し口リングを使用する場合は、挿し口端部の面取り加工が不要です。この新しい切管用挿し口リングについては、従来より簡易な専用の加工機も開発されています。ただし、従来の加工機でもアダプターを使用することにより挿し口の加工は可能です。
 なお、従来のリベットタイプと新しいタッピンねじタイプとでは溝切りの位置、幅が異なりますので、使用する切管用挿し口リングに合わせて加工するようにしてください。
   

切管の最小長さを教えて下さい。
   
 切管の最小長さは接合形式や呼び径、また、使用する切管の種類(甲切管、乙切管)や施工条件等によっても異なりますが、一般的な切管の最小長さとしては1m以上とお考え下さい。

切管の最小長さは、
 ・接合形式(K形、T形、NS形、SII形等)
 ・呼び径(75〜2600mm)
 ・使用する切管の種類(甲切管、乙切管)
 ・施工条件(せめ配管において、その切管に継ぎ輪を預け入れるかどうか等)
などによって異なり、一概に断言できませんが、呼び径1000mm未満の管では、切管の最小長さを1m以上としておげば、ほとんどの場合、まず問題ありません。
 呼び径1000mm以上の場合には、原則として呼び径程度の切管長さを最小長さの目安にしてください。
 なお、配管施工時には、切管において現地での長さ調整を行うことが多々ありますので、配管設計時には、余裕のある切管長さとすることをお勧めします。
   

切用管以外のダクタイル鉄管を切断して配管しても良いのでしょうか。
   
 呼び径250mm以下の直管はすべて切用管として使用できます。また、呼び径300mm以上の直管は、原則として受口端面から約500mmのところに幅50mmの白線が表示されている指定切用管を切断して使用するようにします。この切用管は、管の全長にわたって外周長を測定し、管の外径が許容差内に入っていることが確認された製品です。

 呼び径300mm以上で切用管の表示がない管の場合は、スチールテープなど、管外面から浮き上がらないメジャーを使用して切断部の管の外周長を測定し、その値をπで除して算出した外径が規格値D2の許容差内に入っているかどうかを確認します。外径が許容差内に入っていればその位置での切管は可能ですが、許容差内に入っていない場合は接合時に管が受口に入らなかったり、入ったとしても水密性に影響を与える可能性がありますので、切管して配管しないで下さい。
 なお、管の外径D2の値とその許容差は日本ダクタイル鉄管協会発行の便覧に記載されていますが、同じ呼び径でもK形やS形といった接合形式によって許容差が異なりますのでご注意ください。また、切管部が楕円になっていることもありますので、接合時は必要に応じて楕円矯正を行うようにしてください。
 当協会発行の技術資料「ダクタイル管布設工事標準マニュアル(JDPA T 01)」に接合形式および呼び径ごとの外径、許容差、外周長の範囲の一覧表がありますのでご活用ください。
   

NS形異形管の挿し口に帽、継ぎ輪などを接合できますか。
   
 NS形の帽と継ぎ輪は、せめ配管や解体をより簡単に行うことができるように、押輪とボルト・ナットでゴム輪を締め付けるメカニカル継手を採用しています。
 一方、その他のNS形異形管の挿し口には、屈曲防止突部が8ヶ所、接合用突部が4ヶ所形成されています。このため、これらの異形管に帽や継ぎ輪を直接接合しようとしても、これらの突部があるためにゴム輪を締め付けることができません。したがって、これらは必ず直管や切管の挿し口部に使用するようにして下さい。
 また、ダクタイル管による耐震管路は、曲管部、T字管部、片落管部が水圧によって移動しないように、異形管近傍の必要な範囲に離脱防止継手による一体化長さを確保します。継ぎ輪はもともと伸縮と屈曲が可能な構造ですので、これらの一体化の範囲内には使用できません。このことからも、継ぎ輪は異形管と直結しないことが原則といえます。
   

エポキシ樹脂粉体塗装管の切管時および穿孔時の留意点について教えて下さい。
   
切管時および穿孔時の留意点を以下に示します。

<切管時の留意点>
   内面粉体塗装管の一般的な切管方法として推奨できるものは、(1)ダイヤモンドブレードによる切断、(2)バイト方式のカッターによる切断、(3)電動のメタルソーによる切断です。
 なお、ガス切断では、粉体塗膜はモルタルライニングに比べ熱に弱いため、塗膜が軟化して熱変形を生じ、管と塗膜の密着が損なわれるため、行わないようにして下さい。
 従来から使用されている切断砥石(レジノイド)で切断した場合、使用する切断砥石が新しいものであれば、切断速度が速く、きれいに切断できるものの、砥石が摩耗すると切断速度が遅くなるため、切断には時間を要し切断面はきれいにならないことが多くあります。
 また、手動式のパイプカッターによる切断も可能です。
 切断後は、内面に飛散した粉塵等を清掃して切断面の補修塗装を行って下さい。
<穿孔時の留意点>
  (1) 穿孔機は電動方式が望ましいです。
  (2) 穿孔用ドリルは、下図に示すような先端角とねじれ角を有することが望ましいです。
  (3) φ30以上の穿孔を行う場合は、センタードリル付ホールソーを用いることが望ましいです。
  (4) 不断水穿孔時においては、穿孔作業開始と同時に十分な排水を実施し、切断片を管外へ排出させるよう留意することが必要となります。
-モルタルライニング管用ドリル-
-粉体管用ドリル-
   

高機能ダクタイル鉄管の切管時には、どのような作業が必要となりますか?
   
 現地で切管する場合には、挿し口端面に突部や溝部を新たに形成する必要があります。呼び径75〜450NS形継手の切管作業は、従来の方式に比べてより一層簡単になっております。具体的には、グラインダーを利用した簡易な溝切機と切断機で施工できます。溝切り、切断後に切管用挿し口リングを取り付け、タッピンねじで固定し施工完了です。
 また、切管端面の防食についても、補修塗装に代わる簡易で確実な方法として、挿し口端面および溝部をゴムでカバーし、その上から切管用挿し口リングで押さえて固定するものがあります。この方法は、補修塗料が硬化するまでの待ち時間が不要となり、施工時間を大幅に短縮できます。
 
  (1)溝切り加工 (2)切断 (3)バリ取り、補修塗装
 
  (4)切管用挿し口リング取付 (5)下穴加工 (6)タッピンねじで固定
 
   

ビニルパイプ継手用滑剤をダクタイル鉄管継手用として使用しても問題ないですか?
   
 ビニルパイプ継手用滑剤とダクタイル鉄管用滑剤とでは粘性が異なります。特にNS形継手などスリップオンタイプの継手でビニルパイプ継手用滑剤を使用した場合、接合力が大きくなり接合ができないなど施工面で影響があります。従いまして、ダクタイル鉄管継手を接合する場合は、ダクタイル鉄管継手用滑剤を使用して下さい。
   

現地で切管加工できない挿し口形状はありますか?
   
 PII形(1)、PN形(1)、US形、呼び径1650以上のS形です。
なお、現地切管が可能な挿し口形状及び適用管厚については、下表を参照下さい。

形成する
挿し口の
接合形式
適   用   管   種
呼び径75〜250
呼び径300〜2600
呼び径500〜1000
1種管
(D1)
3種管
(D3)
PF種管
(DPF)
1種管
(D1)
1.5種管(D1.5)
〜5種管(D5)
S種管
(DS)
切用管の表示なし
K形・T形
U形
KF形・UF形
×(2)
×(3)
×
NS形
×
×(4)
SII形
×
×
S形(5)
×
×
備考 1.○は切管による挿し口の形成が可能、×は切管による挿し口の形成が不可能、−は適用外を示す。
    2.適用管種(管厚)は、下図の受口端面の表示配列例に示す「管種の記号」による。

注 (1)防護工を打つなど不平均力が作用しない場合に限り、現地切管は可能である。
    寸法については「PN形ダクタイル鉄管接合要領書」を参照のこと。
  (2)呼び径1350及び呼び径1600以上は、切管による挿し口の形成が可能である。
  (3)1.5種管の呼び径2600は、切管による挿し口の形成が可能である。
  (4)呼び径500〜1000の2種管は、切管による挿し口の形成が可能である。
  (5)呼び径1650以上は、現地切管は通常行わず、UF形管で切管調整することが望ましい。
    なお、切管する必要が生じた場合は、通常、メーカーでの工場切管とする。
   

ダクタイル鉄管と他管種との接合方法について
   

 ダクタイル鉄管と塩化ビニル管等との接合は、ボルトを締め付けるだけで簡単に施工できるものが市販されているので、それを利用すると便利です。
 ダクタイル鉄管と鋼管との接合は、外径寸法が異なるため、そのままでは接合できません。
 一般的な方法としては、鋼管の端部をダクタイル管の挿し口と同じ形状寸法および公差以内に加工し、ダクタイル管の受口あるいは継ぎ輪に接合します。NS形やS形の場合には挿し口突部を設ける必要があります。また、この突部にも寸法公差があるので注意してください。
以下に呼び径500〜1000で一般的に用いられているS形、NS形の鋼製挿し口加工の例を示します。

鋼製挿し口加工の例
   

NS形の管端部の処理はどのように行いますか?
   

 NS形は他継手と異なり帽、栓の2種類があり、呼び径75〜450までは帽、呼び径500〜1000までは栓となっております。帽の場合はNS形甲切管や乙切管、栓の場合はNS形甲切管や継ぎ輪と組み合わせて管端部の処理を行います。以下に組み合わせを示します。

管端部の処理について


NS形口径別接合形式表
   

既設のNS形管(呼び径75〜450)を切管する場合の注意点を教えてください。
   

 まず、既設管の管種の確認が必要です。1種管の場合は通常の切管施工を行います。一方、3種管の場合は、継ぎ輪接合用切管挿し口リングを使用した切管施工を行います。
 ただし、外面に腐食が認められる場合は、健全な管厚が確保できていないことになりますので、切管して挿し口突部を形成することはできません。
 また、呼び径300以上の場合は、管種の確認に加え、挿し口の外周(外径)を確認する必要があります。スチールメジャーなどで外周を測定し、外径許容差内であることを確認します。

   

小口径NS形排水T字管を接合する際に、枝管部への接合器具の取り付けと接合はどうすればいいのでしょうか。
   

 排水T字管は、枝管部にリブが付けられているため、接合器具の取り付けが困難な場合があります。
 そこで、枝管部の接合は、下図に示すように本管の両側に枝管をかわすようにしてスリングベルト(布製ベルト)を枝管の管心に合わせて取り付け、レバーホイストなどで引き込みます。この際、スリングベルトが管心に取り付けられていないと、継手が屈曲してゴム輪が所定の位置から外れる場合があるので注意が必要です。また、3点引きを行う場合は、下図に示すようにスリングベルトを枝管に掛け、排水T字管本体の後ろから廻し、上部よりレバーホイストなどで引き込みます。
 なお、NS形ダクタイル鉄管の継手接合に関しては、NS形ダクタイル接合要領書(適用呼び径75〜450)をご参照ください。

 
   

NS形ダクタイル鉄管の水圧試験の方法を教えてください。
   

 NS形もその他の継手と同じ要領で水圧試験を実施します。原則として呼び径800以上は、水圧試験の代替として、テストバンドにて水密試験を実施します。呼び径700以下は、管路の両端を閉塞した後、充水加圧し水圧試験を実施します。したがって、曲管部・分岐部・片落管・バルブ部等の異形管部には、不平均力が発生しますので所定の埋め戻しをしておく必要があります。
 また、異形管部に防護コンクリートを併用する場合は、所定の強度が期待できるように準備してから水圧試験を実施します。
 さらに、管端部においても、不平均力対策(コンクリートブロック・鋼材や鉄板等)が必要になります。
※NS形帽(呼び径75〜450)とNS形栓(呼び径500〜1000)の最大使用静水頭は75mです。

 

水圧試験方法(例)

 
  注)管端部に油圧ジャッキや張り材、キリンジャッキなどを使用する場合は、水圧による不平均力に耐える仕様・構造とする必要があります。
   
 
テストバンド(例)
 
   
 
管端部不平均力対策(案)
 
   
   

GX形ダクタイル鉄管は、なぜ狭い掘削幅で施工ができるのですか?
   

GX形ダクタイル鉄管は、新しい継手構造で施工I性を大幅に向上したことにより、NS形に比べ狭い掘削幅での施工が可能となっています(図1、表1)。GX形ダクタイル鉄管における管路布設時の掘削幅削減に関わる施工性向上のポイントを表2に示します。

 
 
図1 掘削幅の比較
   
 
表1 掘削幅(土留めなし)
 
呼び径
掘削幅(cm)
GX形
NS形
T形
75
50
60
50
100
50
65
50
150
50
70
50
200
55
75
50
250
60
80
50
 
表2 管路布設時の掘削幅削減に関わる施工性向上のポイント
 
施工性向上の
ポイント
内容
直管の接合
 GX形ゴム輪の採用で継手接合時の挿入力を大幅に低減させたことにより、1 台のレバーホイストでの継手接合が可能となりました。
異形管の接合
 メタルタッチ押輪の採用により、T頭ボルト締め付け時のトルク管理が不要となり、インパクトレンチによる締め付け作業が可能となりました。
 なお、G-Link押ボルトのトルク管理については、柄の短いトルクレンチを使用することにより作業可能となります。
   GX形管路布設に必要な掘削幅はT形管路布設時と同じ、あるいはそれ以上あります。これまで、T形管路での埋め戻しが問題なく行われていることから、GX形管路においても掘削幅削減の影響を受けることなく埋め戻しを行うことができます。
   
   

GX形の接合や切管挿しロ加工に必要な工具は、NS形の同施工に使用するものと変わるのでしょうか?また、NS形で使用する工具のなかでGX形に使用できるものはありますか?
   

GX形の施工時に必要な工具を以下に示します。

1.GX形の接合に必要な工具

(1)NS形呼び径250以下で使用する工具のなかでGX形に使用できる工具
 @プラスチックハンマ
 Aスリングベルト(4本):吊り具として使用しているナイロンスリングで代用が可能です。
 Bレバーホイスト(0.8tf用 2個):管との接触部はゴム板などで養生してください。
 Cラチェットレンチ(異形管用)
 Dロックリング絞り器
(2)新規に準備が必要な工具
 @ゴム輪位置チェックゲージ(直管、P-Link用):厚さ2mm−4mm
 Aインパクトレンチ(異形管用)
 Bユニバーサルジョイント(異形管用):屈曲角30°
 C隙間ゲージ(異形管、P-Link用):厚さ0.5mm
 Dロックリング拡大器(異形管用)

2.GX形の切管に必要な工具
 GX形の切管は、P-LinkやG-Linkを用いる方法と、NS形と同様に切管用挿し口リングを使用して、挿し口突部を形成する方法があります。P-LinkやG-Linkを用いる方法では全てNS形の施工工具を使用できます。
(1)P-Link、G-Linkを用いる場合
 @切断機
 Aグラインダ・面取りヤスリ
 Bトルクレンチ:トルク100N・m
(2)切管用挿し口リングを使用する場合
1)NS形呼び径250以下で使用する工具のなかでGX形に使用できる工具
 @専用の溝切機・切断機
 A挿し口リング拡大器
 Bシャコ万力
 C専用ストッパ付ドリル刃
 Dドリル
 Eグラインダ、・面取りヤスリ
 Fプラスドライバ(呼び番号2番)
2)新規に準備が必要な工具
 @チェックゲージ

3.GX形の解体に必要な工具
(1)NS形呼び径250以下で使用する工具のなかでGX形に使用できる工具
 @解体矢
 A特殊割押輪
 B油圧ジャッキまたはだるまジャッキ
 C解体矢打込みキャップ
 Dハンマ
(2)新規に準備が必要な工具
 @薄板(P-Link、G-Link用)

なお、管を吊る時は、従来管と同様にナイロンスリングやゴムチューブなどで被覆されたワイヤーロープを用いてください。


GX形管における切管の施工方法やその注意点について教えてください。
   

 GX形直管の切管部には、直管受口接合用のP-Link、異形管受口接合用のG-Linkを使用することで切管部における挿し口突部の形成が不要となります。1種管、S種管のいずれも切管可能です。なお、エンジンカッター使用の際は、管軸に対して垂直に真直ぐ切断してください。P-LinkおよびG-Linkを使用した場合の継手構造を図1、2に示します。
 また、NS形と同様に施工現場で所定の溝切り加工を施し、挿し口突部を形成するための切管用挿し口リングもあります。切管用挿し口リングを使用する場合、切用管は必ず1種管を使用して下さい。
 切管端面または溝切部については、面取り加工を行い、ダクタイル鉄管切管鉄部用塗料で塗装を行ってください。

 
 
図1 P-Linkを使用したGX形直管の継手構造
 
 
図2 G-Linkを使用したGX形異形管の継手構造
 
 
図3 切管用挿し口リング

GX形管のP-LinkやG-Linkを取付ける場合に曲がってしまっても良いでしょうか?
   

 P-LinkとG-Linkは真直ぐに取り付けてください。
 P-Linkは直管の挿し口(挿し口リングの代替品)という位置付けであり、屈曲させることは想定していません。また、通常はP-Linkの押しボルトを締め付けることにより、PLinkと切管は真直ぐに接合された状態になります。
 異形管受口と切管挿し口の接合もG-Linkを用いて行う場合には、継手の構造により曲がらないようになっています。
 ただし、継ぎ輪と切管挿し口の接合をG-Linkを用いて行う場合には、直管の継手部と同様に曲げることができます※。

※管路の屈曲角は一箇所で集中して曲げるのではなく、数カ所の継手に分散することが好ましい。


GX形管と既設管との接続はどのようにするか教えてください。
   

 既設管との接続において、既設管を切断する場合の主な例を表1に示します。
 その他の接続例については、技術資料「GX形ダクタイル鉄管管路の設計 JDPA T57※」を参照してください。
 なお、既設管との接続の場合には、新設側の継手一本分に必ずポリエチレンスリーブを被覆させてください。

※ 各種技術資料はコチラからダウンロードできます。

 
表1 既設管を切断する場合の接続方法
 
(1) 既設を切断し、GX形直管受口を接合する場合
(2) 既設を切断し、GX形直管挿し口を接合する場合
(3) 既設を切断し、GX形異形管挿し口を接合する場合

なぜGX形管のP-Link は異形管に接合できないのでしょうか?
   

 このP-Linkは有効長が短く、ゴム輪と押輪をP-Linkに預けて接合することができないため、切管を異形管受口に接合する場合には使用することができません(図1 PLinkと異形管受口が接合できない理由を参照)。
 異形管受口と切管を接合する場合には、G-Linkを使用してください(図2 切管と異形管受口の正しい接合を参照)。
 なお、切管用挿し口リングを用いる場合は、P-LinkやG-Linkを使用しません。

 
 
図1 P-Linkと異形管受口が接合できない理由
 
 
図2 切管と異形管受口の正しい接合